ハーフマウス2017の足回り解説
この記事はMice Advent Calenderの(9 - 1)日目となります。
ただいま12月8日26時.
大事なことなので,もう一回.
ただいま12月8日の26時です!
今年製作したハーフマウスについて書きたいと思います.
機体は完成したものの,大会で走らすことはできなかった私のマウス歴史上最大の黒歴史ではありますが,来年への足がかりは得られたと思います.

今年のハーフマウスは,去年の特に良くなかった足回りのカイゼンに重点を置きました.
カイゼン?何でカタカナなんでしょう.なんでしょうね...
去年と今年の足回り部品の比較.
・モータ 変更無し:mk06-4.5
・ピニオン 変更無し:m0.3z9
・ベアリング 変更有り:DDL415⇒DDL310
・スパー 変更無し:m0.3z36
・磁石 変更有り:φ2.0-h2.0⇒φ3.5-h1.5
基本的な構造は変わらず,磁石を大きくし,軸とベアリングを小さくしました.
大会会場で見せたときに去年と同じといわれたのはショックであったぞ!(まあ,その通りだけど...)
ハーフ2016足回り

ハーフ2017足回り

去年の良くなかった点
・重心速度がとにかく振れる(タイヤ1回転を1周期とした振れ)
・4つのタイヤが平行でない
それらの原因と対策が以下
①エンコーダ用磁石の固定が甘い.
⇒磁石が取れる.
⇒タイヤ角度が読み取れなくなる
⇒磁石が傾き,磁石の回転軸が振れる.
⇒重心速度の測定値が振れる.
圧入の嵌めあいの最適化,圧入部分の長さを増やすで対処
②スペーサーに直接磁石を嵌めこむ構造
⇒スペーサーの内径と磁石の外形が若干違い(直径で0.1mmくらい?),磁石の回転軸のブレがあった.
⇒重心速度の測定値が振れる.
スペーサーに直接磁石を嵌めこむのではなく,磁石を3Dプリント部品に圧入し,その3Dプリント部品にさらにスペーサを圧入するように,3Dプリント品を仲介することにより対処

左2つが2方向から見た磁石+スペーサー+カラーのアセンブリ,一番右が磁石を除いたアセンブリ
③モーターマウント(3Dプリンタ品)に反りが合った.
⇒4つのタイヤが平行にならない
⇒走行に影響?まあ,見た目が気持ち悪い
モータを圧入するようの穴付近の強度が弱く,その弱い部分が特に反っていた.
なるべく弱くなる部分を作らないようにすることで反りを防止できる.
モータ圧入部分のマウントの厚みを増やすことにより対処

④エンコーダ用磁石が小さすぎる
⇒磁石の軸の振れの影響を強く受けるようになる
⇒重心速度の測定値が振れる.
エンコーダIC(AS5147P)の資料を読んでいると,中心から半径1.1mmの位置にホールセンサーが付いているらしい
磁石径2mmって小さすぎるやん...(´・ω・`)
磁石径を2mmから3.5mmに変更で対処.
⑤エンコーダICの中心と磁石軸の位置決めができない
⇒エンコーダICの中心と磁石軸がずれる
⇒重心速度の測定値が振れる.
モータマウントにエンコーダICの形状に合わせた溝を掘り,そこにICをはめ込むことにより位置決めを実現し対処

これらのカイゼンにより,磁石が外れることなく,エンコーダの振れもかなりカイゼンされました.(データ載せたい...)
これからハーフマウス作ろうとしている人や,自作の磁気式エンコーダを作ろうとしてる人の参考になればなと思います.
そうそう,最後に私のハーフの足回りのコンセプトを書いておきましょう.
・接着は使用せず,圧入のみ.これは,部品が破損した時に交換しやすいからです.
・シムリングを使わない.これは,内径1mmで軸受けに当たらないシムを探すのが難しいという理由でもありますが(笑)3Dプリント品に軸受けの回転部に当てる肩を作っておくことでシムリングが必要ない構造となっております.(まあ,ごく一般的な機械設計の手法ではありますが...NC加工でマウスを作る場合は難しい.3Dプリンタの複雑な形状でも簡単に作れるという特徴を生かした設計です)

来年こそは全日本大会に...
では!
ただいま12月8日26時.
大事なことなので,もう一回.
ただいま12月8日の26時です!
今年製作したハーフマウスについて書きたいと思います.
機体は完成したものの,大会で走らすことはできなかった私のマウス歴史上最大の黒歴史ではありますが,来年への足がかりは得られたと思います.

今年のハーフマウスは,去年の特に良くなかった足回りのカイゼンに重点を置きました.
カイゼン?何でカタカナなんでしょう.なんでしょうね...
去年と今年の足回り部品の比較.
・モータ 変更無し:mk06-4.5
・ピニオン 変更無し:m0.3z9
・ベアリング 変更有り:DDL415⇒DDL310
・スパー 変更無し:m0.3z36
・磁石 変更有り:φ2.0-h2.0⇒φ3.5-h1.5
基本的な構造は変わらず,磁石を大きくし,軸とベアリングを小さくしました.
大会会場で見せたときに去年と同じといわれたのはショックであったぞ!(まあ,その通りだけど...)
ハーフ2016足回り

ハーフ2017足回り

去年の良くなかった点
・重心速度がとにかく振れる(タイヤ1回転を1周期とした振れ)
・4つのタイヤが平行でない
それらの原因と対策が以下
①エンコーダ用磁石の固定が甘い.
⇒磁石が取れる.
⇒タイヤ角度が読み取れなくなる
⇒磁石が傾き,磁石の回転軸が振れる.
⇒重心速度の測定値が振れる.
圧入の嵌めあいの最適化,圧入部分の長さを増やすで対処
②スペーサーに直接磁石を嵌めこむ構造
⇒スペーサーの内径と磁石の外形が若干違い(直径で0.1mmくらい?),磁石の回転軸のブレがあった.
⇒重心速度の測定値が振れる.
スペーサーに直接磁石を嵌めこむのではなく,磁石を3Dプリント部品に圧入し,その3Dプリント部品にさらにスペーサを圧入するように,3Dプリント品を仲介することにより対処

左2つが2方向から見た磁石+スペーサー+カラーのアセンブリ,一番右が磁石を除いたアセンブリ
③モーターマウント(3Dプリンタ品)に反りが合った.
⇒4つのタイヤが平行にならない
⇒走行に影響?まあ,見た目が気持ち悪い
モータを圧入するようの穴付近の強度が弱く,その弱い部分が特に反っていた.
なるべく弱くなる部分を作らないようにすることで反りを防止できる.
モータ圧入部分のマウントの厚みを増やすことにより対処

④エンコーダ用磁石が小さすぎる
⇒磁石の軸の振れの影響を強く受けるようになる
⇒重心速度の測定値が振れる.
エンコーダIC(AS5147P)の資料を読んでいると,中心から半径1.1mmの位置にホールセンサーが付いているらしい
磁石径2mmって小さすぎるやん...(´・ω・`)
磁石径を2mmから3.5mmに変更で対処.
⑤エンコーダICの中心と磁石軸の位置決めができない
⇒エンコーダICの中心と磁石軸がずれる
⇒重心速度の測定値が振れる.
モータマウントにエンコーダICの形状に合わせた溝を掘り,そこにICをはめ込むことにより位置決めを実現し対処

これらのカイゼンにより,磁石が外れることなく,エンコーダの振れもかなりカイゼンされました.(データ載せたい...)
これからハーフマウス作ろうとしている人や,自作の磁気式エンコーダを作ろうとしてる人の参考になればなと思います.
そうそう,最後に私のハーフの足回りのコンセプトを書いておきましょう.
・接着は使用せず,圧入のみ.これは,部品が破損した時に交換しやすいからです.
・シムリングを使わない.これは,内径1mmで軸受けに当たらないシムを探すのが難しいという理由でもありますが(笑)3Dプリント品に軸受けの回転部に当てる肩を作っておくことでシムリングが必要ない構造となっております.(まあ,ごく一般的な機械設計の手法ではありますが...NC加工でマウスを作る場合は難しい.3Dプリンタの複雑な形状でも簡単に作れるという特徴を生かした設計です)

来年こそは全日本大会に...
では!
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